<濃姫の衣装>
羽二重の片裾模様小袖。
春草と桐唐草の模様の
金糸ぬいとり。 |

永禄3年(1560年)5月。今川軍は上洛を目指して4万の大軍を発し、尾張に攻め入った。5月19日、今川軍は丸根・鷲津の二つの砦を落とし、清洲城をも一蹴しようとしていた。
火急を知らせる鎧武者。報告を受けた信長公は、出陣することは口に出さず、「鼓を持て」と濃姫に告げて、静かにうたい、舞い始めた。「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり。ひとたび生を得て、滅せぬ者のあるべきか」信長公の声が、朗々と常駐に響き渡った。
決死の覚悟を胸に秘めて舞い続ける信長公。信長公の心中を察した濃姫。重臣たちの表情も厳しい。三千人ともいわれる信長軍が、四万人の大軍と一体どうやって戦えばよいのか。張り裂けんばかりの気持ちを抑えて、信長公を見つめる濃姫、重心、鎧武者、そして小姓たち…。
その緊迫感と共に言いようのない切なさが溢れる居室を表現したのが、この場面なのです。
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<信長公の衣装>

袴、腰ひも、足袋は全て鹿皮。腰ひもは、菖蒲の葉と花の紋様を染めた。ショウブを「尚武」にかけて武を尊ぶという意味。 |