あれだけピカピカ豪華絢爛な天守閣の金のシャチホコだから、「あのウロコ、せめて1枚だけでも手に入れたい!」と不埒な考えを起こす人は昔から後を絶たなかったようです。その中でも特に有名なのは、歌舞伎のネタにもなった「柿木金助」なる大泥棒。この人物は実在しており、確かに正徳5年(1715)、大胆にも厳重警備の名古屋城本丸土蔵に忍び込むという事件を起こしています。
しかし!大きな凧で風に乗って金シャチのウロコを盗むという妙技は、あくまでもお芝居の中のお話。
ところが、その後の昭和12年(1937)、「昭和の柿木金助」と騒がれる人物が現れたのです。当時40歳のこの泥棒は、名古屋市が城の実測図作成のために組んでいた足場を伝って深夜天守閣の屋上まで上がり(ある意味では勇気ある行動?)、金のウロコを計58枚もペンチで剥ぎ取ってしまったのです!しかし、何と言っても国宝建造物名古屋城のしかも天下に名だたる金シャチの怪盗事件。捜査は一気に全国に広がり、事件の約20日後、大阪で盗んだ金を売りさばこうとしているところを取り押さえられ、逮捕されたとのことでした。確かに大犯罪ではありますが、何ともスケールの大きなこのお話は、当時の庶民の心をかき立てたとかそうでないとか。
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