庄内用水は、河川の分流の一つを用水に転用する形で比較的早い時代に作られた用水のひとつでした。
庄内用水の至る所に元亀・天正年間に作られたことを示す標示板が立てられています。元亀が一五七〇〜七ニ年、天正が一五七三〜九一年ということから、信長そして秀吉の時代で、尾張一国が統一され政情も比較的安定している頃に作られた用水であろうことが想像されます。
他に河川の分流の一つを用水に転用する形で作られた用水としては、建設時期が不明ながら金沢で最も古いと言われる鞍月(くらつき)用水があります。金沢市街地を貫流し、今も水の町金沢に情緒と風情を与える鞍月用水は、犀川のかつての流れの一つを用いた農業用水です。
庄内用水が惣兵衛川と呼ばれているように、鞍月用水も玄蕃(げんば)川あるいは源兵衛川という別名がありました。
ところで金沢市の繁華街に「片町」がありますが、これはもともと鞍月用水と本流の間の河原が後に「河原町」という町になり、更に道路の片側のみ家が立ち並ぶことから「片町」と呼ばれるようになり、今に見るような繁華街へと発展していったのです。
これらと同じように河川の分流を用水に転用した用水といえば東京の多摩川の河道を使った府中用水です。
こちらも府中用水と多摩川本流との間に河原の付く地名が残っています。分梅(ぶばい)河原・中河原などがそれに当たります。 |
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